2009年02月09日

まっちゃんの話2〜別れ〜

僕たちはそれから4年生が終わるまでの2年間、とても長い時間を二人で過ごした。

朝学校に来れば、まず最初にプロ野球の話をするのが日課だった。
とりわけ二人はよく巨人のダンカンの話をした。

「昨日ダンカンホームランうったべ!?」

あの頃の僕たちは「ダンカン」という響きをとても気に入っていた。

学校が終われば、いつも二人で草むらをかき分けて、近くのアパートの裏手に回った。
そこには飲み終わった日本酒の一升瓶をまとめて置いておく場所があり、僕たちはいつもその日本酒のキャップを集めては、秘密の場所に隠していた。

「八海山があるよ!これはすごい高価な日本酒だ。」

まっちゃんはいつも日本酒について解説してくれた。
しかし、まだ子供な僕たちはコオロギを見つけると日本酒はそっちのけで必死になって追いかけた。

「フリーマーケットをしよう!」

まっちゃんが急にそう言い出したこともあった。

結局あと一歩のところで親に止められが、まっちゃんの発想はいつも子供離れしていて、僕を楽しませてくれた。

将棋を覚えたこと、
野球を始めたこと、
新聞を見るようになったこと。

今思うと、僕はいつもまっちゃんのマネをしていた。

***

「火を燃やすとCo2が発生するんだ。」

ある時まっちゃんは炎の絵を見ながらそう言って、「Co2」という文字を紙に書いた。

僕はCo2が何なのかはまったくわからなかった。
でもまっちゃんが悲しそうな顔をしているのはわかった。

「Co2はとても良くない物質なんだ。
おれたちの吐いてる息にも含まれているんだけど、物を燃やすとそれの何千倍もの二酸化炭素が発生するんだ。
だからむやみに物を燃やすのはよくないんだ。」

小学3年生の僕がきょとんとしていると、まっちゃんは残念そうな顔をしていた。
しかし、僕が「なるべく物は燃やさないようにするよ」というと、とてもうれしそうに笑った。
僕は今でもその笑顔を覚えている。

***

5年生になると僕たちは違うクラスになった。
僕は八方美人だから、新しいクラスですぐに友達ができて、だんだんまっちゃんとは遊ばなくなっていった。

休み時間も常に友達と一緒に行動していたので、廊下でまっちゃんとあっても声をかけることはなかった。
廊下で会うまっちゃんはいつも一人だった。

ダンカンは巨人から解雇された。




6年生の夏休み、僕は商店街のお祭りに行った。
おもちゃ屋のくじに並んでいた僕は、後ろから声をかけられた。

「おうチャパ。」

まっちゃんだった。

思いがけず声をかけられた僕は、適当な話題を見つけることができず、「おう」と返したまま何も言うことができなかった。
二人の間に微妙な空気が流れた。
やがてまっちゃんは、僕がCo2を理解できなかった時のように残念な顔をすると、

「やめとけよ、あのくじは当たらないようにできてる。」

と言ってすぐに踵を返すと、人ごみの中に消えていった。

これが僕とまっちゃんがかわした最後の会話になった。

***

「物は燃やさないようにするよ」と言えば小学3年生のまっちゃんは笑顔になった。

でも6年生の夏休み、それに代わる言葉を僕は見つけることが出来なかった。

小学校を卒業してから、まっちゃんがどの中学校に行ったのかすら僕は知らない。

あれから何年か経ち、僕は成人した。
あの時あこがれていた日本酒も飲むようになった。
野球はやめてしまった。

ふと草むらでコオロギを見つけて、追いかけてみる。
驚くほど簡単に捕まえることができて、なぜか悲しい気持ちになった。

大人になることは失うことだ。

最後にまっちゃんが僕に向けた顔を思い浮かべると、いつも心にぽっかり穴があいたような気分になる。












まっちゃん!!このブログを見ていたらコメントでもなんでもいい。

連絡してくれよ。

今度はテーブルに一升瓶なんか置いてさ、一緒に環境問題について語り合おうぜ!















いやまてよ・・・
このブログはまだ知名度が低いからまっちゃんが見つけられないじゃないか!!!!

なんてこった!ランキングさえ、ランキングさえ上がれば・・・




















みんな、おらに力を!!!

↓↓

















たぶんまだ引越してないから家行けば会える気がする。
posted by chapa at 02:25| Comment(4) | マジメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月08日

まっちゃんの話1〜出会い〜

地球環境の崩壊が問題視されている昨今、テレビではそれに関するニュースをよく目にするようになった。

中でも地球温暖化はよく出る話題なのだが、僕には「Co2」というワードを聴くたびに思い出す、一人の少年がいる。

***

小学3年生の始業式。
物知りでちょっと変わった男と同じクラスになった。

愛称は「まっちゃん」。
まっちゃんの物知りぶりは皆の知るところで、何か分からないことがあればまっちゃんに聞けば大丈夫。そんな流れがあった。
他の生徒に物事を教えるまっちゃんはとても大人びていて、僕は素直にすごいなーと感心していた。

僕がまっちゃんと初めて話したのは、少し経った後の学級活動の時間だった。
学級活動の内容は、「3人グループにってそれぞれに好物を聞きあい、後でみんなの前で発表する」というごく簡単なものだった。
僕はなりゆきでまっちゃんと同じグループになった。
もう1人のメンバーは少し太ったやつで、名前は忘れたのでここでは仮に「ふぐお」と呼ぶことにする。
まっちゃんはグループで集まると開口一番こういった。

「君たち、好きな食べ物は?」

無駄は一切なかった。僕は反射的にこういった。

「ハムカツの卵とじ」

まっちゃんはそれでテンションが上がった。

「ハムとじ!!それハムとじって略せる!!」

それから僕はしばらく「ハムとじ」とよばれた。
その学級活動が終わり学校から帰る途中、まっちゃんは帰り道が真逆にもかかわらず、かなり遠回りして途中まで僕についてきた。
正直、変なやつだ。
そう思ったが、僕たちは不思議とウマが合った。

その日を境に僕たちは二人で遊ぶようになった。
posted by chapa at 14:44| Comment(2) | マジメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月17日

バンド・オブ・ザ・ナイト

『たとえば哲学というものを考えてみると、ここにひとつの本質のようなものがあって、この本質は真空によって成り立っていると考える。この真空を形あるものにするために哲学は何をするかというと、真空以外の部分を言葉で埋め尽くしていく。これが哲学のやり口だ。非常にまどろっこしくて、かつ膨大な作業だ。詩はこれと対極の性質を持っている。詩は弓で射抜くように言葉の矢を使って、真空そのものを射抜く。これは詩の持っている本質の一つだ。』(「バンド・オブ・ザ・ナイト」中島らも)

僕は詩や哲学について調べたことがないから、これを読んだ時にとてもうまく詩と哲学の性格を表していると思って感動した。

精通している人が見れば、これは違う、とか、こんなのは一般論だ、と言うかもしれない。

でも詩や哲学なんてのは、極めようと思えば生きているうちじゃできないし、別になくても全然生きて行ける。

僕たち一般市民はこれらに関して難しい議論なんかせずに、困った時や支えがほしい時にうまく使えばいいと思う。
(真剣に勉強している人には失礼な言い方かもしれません。ごめん!)

さしずめ、詩のほうはとっつきやすい。

上の中島らもさんの言葉のように、詩は本質を弓で射るようなものだと考えるなら、詩はいつも抽象的でなかればならない。

なぜなら、本質が抽象的だからだ。

だから詩はわかりずらい。

そしてその詩を他の言葉で説明することも不可能だ。

よって、この詩って意味がわからない!と考えるのは全くナンセンス。

人の感性なんて人それぞれだし、のっけから意味のわからん詩なんか気にしないで好きなのだけ手帳に書けばいい。

多くの人の心の琴線にふれた詩が有名になっているから、まずはそこを見てみるのがいいだろう。






『心が開いている時だけ、この世は美しい』






これは以前、僕がいろいろ悩んでいた時に出会って救われた詩だ。

おもに人間関係についての問題だったんだけど、この言葉は強烈だった。

それまでの僕はうまくいかないことを全てひとつづつ変えていこうと努力して、うまくいかなかったりその間に新しい問題が発生したり、堂々巡りでとても疲れていた。

そんなときこの詩と出会って、「自分のものさしを変えるだけで、周りの景色はすべて違って見える」ということに気づいた。

明らかに労力は後者のほうが少なく、実際にうまくいった。





上の例は僕の話だけど、この詩を見て
「世界すみずみまで目を向けたら、小さな花・取り壊し中の建物・炭酸水の気泡、いろんなもので心が潤うようになった」
こんな解釈も全然いいと思うよ!

ようは何が言いたいかって言うと、詩や哲学はまぎれもなく素晴らしいもの。それは確か!

難しいのカッコつけすぎだの言ってないで使うが吉、ってことですわ!


ちなみにバンド・オブ・ザ・ナイトですが、上の言葉の後に、

「LSD、イリマスカ?」

って友達の外人が話しかけてくるwww

中島らもはいいよ。



今日の記事?!べつに真面目なこと書いて新しい読者層を捕まえようとしたわけじゃないよ!!!ほんとだよ。ゲヒゲヒゲヒ

posted by chapa at 17:51| Comment(5) | マジメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月06日

半月



これは素晴らしい!!






押して押して!!ウヒヒヒヒヒヒh ランキングの亡者より
posted by chapa at 13:34| Comment(6) | マジメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月01日

ブログ紹介

あなたは今このブログを見ていますね?僕にはわかります。






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posted by chapa at 00:00| Comment(0) | マジメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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